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私の標本箱から (26)

アラメハカミキリ(Sachalinobia koltzei)♂ 山梨県塩山市大菩薩嶺日川林道 alt.1,550m 27. ⅵ. 1976



この日は、当時極珍だったアラメハナの貴重なエリトラを針葉樹立ち枯れの根元で拾った記念すべき日である。当時は標本を持っている人さえ数えられるほどの珍しさに加え、あの上翅のアラメ模様が非常に渋く魅惑的で、人気トップランナーのひとつであった。

この日、帰りの列車内で違和感を感じた私が左二の腕に食らいついたマダニを発見するや、同行者たちから嬉々として「や~い、アラメハナのエリトラを拾った祟りじゃぁ~!」と囃されたのが懐かしく思い出される。頭部が無いので一頭にはカウントしない!などと皆から揶揄われたちょっぴりかわいそうなエリトラ、その後しばらくは四角紙の中に放置されたままであったが、さすがにこの貴重な記録を埋没させるわけにもいかず、後日栄光の記録の証としてしっかりマウントして差し上げ、今やあの日の思い出と共に私の標本箱の中で燦然と光り輝いているのであった。


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