Pidoniaの世界へようこそ

栃木県日光市奥日光(裏男体・光徳・半月山) alt.1,400~1,600m 20.ⅵ.2009

国内有数のピドニア産地として知られる奥日光の「ピドニア採りある記」第2弾。(18)でご紹介したのは、それでも夏季シーズン最盛期を前にピドニア絶好機を狙っての7月初旬であったが、今回は更に2週間前倒ししての、より早い時季におけるピドニアのファウナ調査である。

当日は早朝横浜を発ち、東北自動車道を激走の後、一旦日光市内のMさん宅に立ち寄って採集をご一緒する。市街地で今にも泣きだしそうだった空は、いろは坂を登る途中で雲上に突き抜け、中禅寺湖畔の新緑は陽光に照らされてキラキラと眩しい。さすがにこの時季、観光には少々早過ぎのようで、お陰で混雑のない道路事情は渋滞嫌いの私にはたいそうありがたい。


さて、まずはピドニア狙いで裏男体林道に進み入るが、開花植物は標高1600m辺りで未だ春を思わせるウワミズザクラやオガラバナ、中域でサワフタギ、下の方では咲き始めのミズキなどがちらほら。そのミズキで当地では珍しいオニヒゲナガコバネがネットに入ると、Mさんにたいそう羨ましがられる。他はほんの少しのピドニアと共に大量のカバイロコメツキが群がるが、期待のニシキウツギがまだ開花前の所為か、7月には豊産するシラネヒメハナやホソガタヒメハナを1頭も見ないまま、この地を去ることとなった。



その後、光徳周辺での叩き網没頭タイムを経て(キムネスジコメツキ採れず!)、最後に半月山を軽く一往復してみる。ここではミヤママタタビの花にピドニアが見られたが、比較的標高が低い所為か唯一のヤノヒメハナ系がネットインしたほか、ニッコウヒメハナも比較的多く見られたりと、当日の採集の締めを飾ってくれた。


この日の成果を俯瞰すると、前回(18)でご紹介した際の成果とは随分異なることが分かる。この日(6月20日)はまだかろうじて春モノが残っていたものの、7月に入るや一気に夏モノに置き換わってしまう様子が見て取れ、大変興味深い。それにしても、両日合算で実に21種とは・・・やはり奥日光はピドニアの一大産地であることを改めて認識したような次第。

2009年6月20日の遭遇種 [ *は(18)2004年7月2日の報告で見られなかった種 ]
・ナガバヒメハナ P.signifera*
・ヤノヒメハナ系 P.chairo系*(BB無し=P.himehana?)
・シンシュウヒメハナ P.hayakawai(もしくはその近似種)
・ミヤマヒメハナ P.sylvicola*
・ニッコウヒメハナ P.limbaticollis
・アサマヒメハナ P.trilineata
・キベリクロヒメハナ P.discoidalis
・ヨコモンヒメハナ P.insuturata
・ニセヨコモンヒメハナ P.kaguyahime*
・セスジヒメハナ P.amentata*
・オヤマヒメハナ P.oyamae

※(18)2004年7月2日の遭遇種の内、この日未確認の種
・ホソガタヒメハナ P.semiobscura
・シラネヒメハナ P.obscurior
・ウスモンヒメハナ P.pallida
・マツシタヒメハナ P.matsushitai
・ブービエヒメハナ P.bouvieri
・オオヒメハナ P.grallatrix
・ムネアカヨコモンヒメハナ P.masakii
・チャイロヒメハナ P.aegrota
・ニセフタオビヒメハナ P.testacea
・フタオビヒメハナ P.puziloi

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