Pidoniaの世界へようこそ

福島県南会津郡桧枝岐村馬坂峠 alt.1,550~1,790m 27.ⅶ.2007

ピドニア採りある記(24)の御池行に引き続き、その日の午後に向かったのが、桧枝岐集落から南東方向、帝釈山に向かって伸びる舟岐林道最深部の馬坂峠である。地名こそ会津を称してはいるが、ここもPidonia界では関東エリア最北端の様相を呈する興味津々の一角である。

御池の後に出向いたため、彼の地に足を踏み入れたのは午後からということで、条件的にはあまり好ましくはなかったが、それでも標高を上げるにつれオニシモツケやヤマブキショウマ花上に集うピドニアの姿は徐々に増え始め、中でもシラネヒメハナ雄の脚の色彩変異は大変興味深く、全体黄褐色の日光山塊型(シラネ標準タイプ)に加え、中には中後腿節が黒ずむ尾瀬タイプまでもが混在するという、まさに両者の移行帯?真っただ中を感じるこの地での経験は、実に貴重で嬉しい成果と言えるものであった。


林道終点の馬坂峠(栃木県側は通行止め)は1,790mと思いのほか標高が高く、そのため峠周辺は冷涼な亜高山針葉樹林帯となっていて、針葉樹に巻き付いたゴトウヅルの花を掬ってみると、クモマハナやクロルリハナを手始めに、ほぼ北限のミヤマヒメハナの姿も見られる等、意外にもなかなかの貴重なエリアと言えるところであった。


帰路、ほぼ集落まで下りて来ていた時走行に違和感を感じ、車を下りてチェックしてみたところ、ダート路面のどこかで裂いたのか右後輪が見事にパンクしており、閉店間際のGSで応急修理を施してもらい、ゆっくり走りながらも何とか宿に帰り着けたのは不幸中の幸いであった。

2007年7月27日(午後)の遭遇種
・ナガバヒメハナ P.signifera
・シラネヒメハナ P.obscurior(左:尾瀬タイプ、右:標準タイプ)


・ミヤマヒメハナ P.sylvicola
・シンシュウヒメハナ風 P.hayakawai(?)


・マツシタヒメハナ P.matsushitai
・アサマヒメハナ P.trilineata(=旧takechii)
・ブービエヒメハナ P.bouvieri
・オオヒメハナ P.grallatrix(目撃)
・ヨコモンヒメハナ P.insuturata
・ムネアカヨコモンヒメハナ P.masakii
・セスジヒメハナ種群の一種P.amentata系sp.(仮称ウラセスジ~モリセスジ)
・ミワヒメハナ P.miwai
・オヤマヒメハナ P.oyamae
・ニセフタオビノミハナ P.testacea
・チャイロヒメハナ P.aegrota(目撃)



<< 前のページに戻る

↑ PAGE TOP