Pidoniaの世界へようこそ

福島県南会津郡桧枝岐村尾瀬御池(みいけ) alt.1,500m 27.ⅶ.2007

7月半ばに一度は出撃した2007年度ピドコメツアー・・・、残念かな、台風直撃で途中撤退してしまったことを受けての月内リベンジマッチが、これ。今回は福島県内各所を巡る2泊3日の行程で、その中日に設定したのが県西南端の桧枝岐集落からさらに奥に分け入る尾瀬御池界隈。行政区画上は福島県ながら、生物地理学的には実質関東地方の最北端と言えるようなロケーションだ。

前泊地の会津若松からひたすら南下し、やっとの思いで現地にたどり着いたのはすでに2時間が経過した頃で、思いのほか遠かった!というのが本音である。桧枝岐集落から先は豊かな森の中を徐々に標高を上げ、尾瀬観光の北の玄関口・御池ロッジ駐車場を左手に見送り更にその先に進むと、暫くの間等高線に沿うような形で環境の良い標高1,500mゾーンを通過する。人の気配が消えた辺りからいよいよ花を求めて散策を開始。


まずは、さい先よく目的の一つであるシラネヒメハナがクロヅルの花上に顔を覗かせ、その後もヤマブキショウマの花から他のピドニアと共に次々にネットインしてくれるのは嬉しい限り。ちなみに、ここの個体群はすぐご近所の奥日光産とは異なり、雄の中後腿節が黒化するタイプだ。

その後、運よく満開のオニシモツケ群落にも遭遇し、目的のピドニアはもちろんのこと、オオハナやフタコブルリハナと言った大型美麗ハナカミキリが次々に飛来するなど、ついつい時の経つのも忘れて虫の姿を追いかけ回してしまった。


標高が下がり始め花が無くなったのを機に折り返し、往路の好ポイントを再度チェックしながら戻っていると、沢沿いのヤマブキショウマから見慣れぬ黒っぽいピドニアがネットイン。ややや!?と眼鏡をはずして凝視したところ、実に自身30年ぶりの、どこからどう見ても見紛うなきクロヨコモンヒメハナの姿がそこに!この界隈が本種の分布エリアであることは認識していたが、まさかこの標高で遭遇できるとは思ってもみなかったので、この想定外は嬉しい誤算だ。そんな美味しいお土産を手に、楽しく有意義な彼の地での初採集行を無事終えたような次第。

2007年7月27日の遭遇種
・ナガバヒメハナ P.signifera
・ヤノヒメハナ種群の一種 P.chairo系 sp.(B~H紋を有するタイプ)
・シラネヒメハナ P.obscurior


・マツシタヒメハナ P.matsushitai
・アサマヒメハナ P.takechii
・ブービエヒメハナ P.bouvieri
・キベリクロヒメハナ P.discoidalis
・クロヨコモンヒメハナ P.hayashii


・ムネアカヨコモンヒメハナ P.masakii
・セスジヒメハナ種群の一種P.amentata系sp.(仮称ウラセスジ~モリセスジ)
・ミワヒメハナ P.miwai
・ニセフタオビノミハナ P.testacea

【追記】
2018年7月10日、より早い時季のピドニアを求めて再訪。この時未採集の以下の3種を確認しているので追記しておきたい。
・オオヒメハナ P.grallatrix
・オヤマヒメハナ P.oyamae
・チャイロヒメハナ P.aegrota

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