ピドニアの世界へようこそ

山梨県塩山市大菩薩嶺日川林道~上日川峠 alt.1,050~1,600m 18.ⅵ.2005

過日、「ピドニア採りある記」の過去掲載一覧を眺めていて、富士山が抜けていることに気づき慌てて書いたのが前回の(37)であったが、その後関東では最も著名な採集地のひとつ、大菩薩嶺日川林道までもが抜けていることに気づき、今回の(38)執筆と相なったような次第。

今でこそ気軽に日帰り採集のできる日川林道であるが、今から半世紀も昔の1970年代には、深夜新宿発の夜行列車で塩山駅に向かい、ここで早朝5時始発のバスを数時間待ち、登山口のある裂石バス停から上日川峠まで標高差700mを寝不足状態のまま駆け上がり、さらに峠から日川に沿う林道を下りながら採集し、その日の内に同じルートを舞い戻るという、楽しいながらもかなりハードな「夜行日帰り採集」が当たり前であったが、今やそんな大変なことをする輩は誰もいない(・・・と思う)。

ところで、この超有名採集地の「日川」は果たしてどう読むのが正解か!?実は諸説あって未だに判然としない。1970年代当時は仲間の誰もが「かみにっかわとうげ」と称していたが、その後時の経過の中でここを流れる一級河川が「ひかわ」であり、その上流にあるダムが地元自治体のHPで「かみひかわだむ」と紹介されていることを知るに至り、私自身はこれを「ひかわりんどう」「かみひかわとうげ」と呼ぶことに決め、以降標本ラベルも全てこの呼称で統一している。

前段が長くなってしまったが、当日は花をチェックしながら日川林道を遡上し、標高1000-1200mの嵯峨塩鉱泉付近(下)ではオオバアサガラやコゴメウツギに、標高1350-1500mのペンションすずらん付近(中)ではサワフタギやサルナシに、そして標高1550-1600mの上日川峠付近(上)ではアズキナシにピドニアが訪花しており、これらを掬いながらポイント間を行ったり来たりした結果、概ねこの時季・この地で採集出来る種類は網羅することが出来たように思う。当日の未確認種も含めると、この地に産するピドニアは少なくとも18種にはなり、やはり関東界隈では指折りのピドニア観察フィールドであることに変わりはなさそうだ。


下:嵯峨塩鉱泉付近


中:ペンションすずらん


上:ロッヂ長兵衛

2005年6月18日の遭遇種(下:1050-1200m、中:1350-1500m、上:1550-1600m)
・ナガバヒメハナ P.signifera(上中)
・ホソガタヒメハナ P.semiobscura(上中)
・ヤノヒメハナ系 P.chairo系(=P.himehana?)(上中)
・シンシュウヒメハナ系 P.hayakawai系(上)

※ヤノ~シンシュウ系混在の当日の四角紙

・マツシタヒメハナ P.matsushitai(中)
・ツマグロヒメハナ P.maculithorax(上中下)
・キベリクロヒメハナ P.discoidalis(上中下)
・ヨコモンヒメハナ P.insuturata(上中)
・ニセヨコモンヒメハナ P.kaguyahime(中下)
・ムネアカヨコモンヒメハナ P.masakii(上中)
・オヤマヒメハナ P.oyamae(上中)
・フタオビノミハナ P.puziloi(上)

(この日は未採集ながら、別の日に同地で確認できた種)
・ミヤマヒメハナ P.sylvicola
・ブービエヒメハナ P.bouvieri
・オオヒメハナ P.grallatrix
・トサヒメハナ P.approximata
・セスジヒメハナ P.amentata
・チャイロヒメハナ P.aegrota

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