Pidoniaの世界へようこそ

長野県南安曇郡安曇村乗鞍岳 alt.1,750~2,100m 18~19.ⅶ.2005

北アルプスの南端に位置するとされる乗鞍岳には、四国転勤から戻ったばかりの2000年に初めて赴いた。当時は山頂直下まで自由にマイカーで登ることができたので、極めて安易に2,700mまで標高を稼ぐことが出来たのだが、その後いつの間にか入山規制が敷かれ、長野県側からは麓の三本滝(標高1,800m)までしか入れなくなってしまった。後の祭りとはまさにこのこと、行ける内にもっとしっかり調査すべきであったと反省しきりだ。

2005年の7月半ば、21世紀に入って以来ほぼ毎年行っているピドコメツアー(ピドニアとコメツキを調査ターゲットとしたミニツアー)の一環で、八ヶ岳~妙高山塊~北ア北部を廻って18日午後にたどり着いたのが、ここ乗鞍岳山麓の三本滝である。陽の傾き始めた時間帯であったため、この日は徒歩20分ほどのところにある滝の見物がてら周辺を散策してみたのだが、滝近くの林床に咲いていたヤグルマソウに無数のピドニアが群がっていて、ひと掬いで数百頭も入るヨコモンヒメハナの中から、それ以外の種を選別する作業には随分と往生したものだ。目立たぬミヤマクロソヨゴの花に多くのピドニアが集まることを知ったのもこの時であった。


乗鞍高原で一泊した翌朝、ひとまず三本滝の駐車場に車を停め、これより先はゲートをくぐって徒歩で車道(エコーライン)に進み入る。スタート直後は夏らしからぬ低温、予想外の冷たい風に翻弄されて全く成果が上がらなかったが、やがてルートが山陰に入り風がさえぎられるようになると徐々にピドニアが現れ始め、勢い気分も盛り上がってくる。頃合いもよろしく、次々に登場するミヤママタタビ、ヤマブキショウマ、クマイチゴ、オガラバナ、ナナカマド、ヤグルマソウ等の花を掬いながら2時間かけて標高差300mを登り、結果的にはこれらの花から乗鞍岳で期待される一通りのピドニアに遭遇することが出来たのは幸いであった。


標高2,100mでの昼食後に下山を始め、以降最終訪問地の御嶽山を目指しツアーは更に続くのであった。

2005年7月18~19日の遭遇種(18日:三本滝*、19日:乗鞍岳**)
・ウスイロヒメハナ P.pallida**
・シンシュウヒメハナ P.hayakawai**
・ミヤマヒメハナ P.sylvicola*,**
・マツシタヒメハナ P.matsushitai*,**
・ホソガタヒメハナ P.semiobscura*,**
・フイリヒメハナ P.signata*,**


・オオバヤシヒメハナ P.limbaticollis ohbayashii*,**
・カクムネヒメハナ P.orientalis**
・ブービエヒメハナ P.bouvieri*,**
・アサマヒメハナ P.takechii*
・ヨコモンヒメハナ P.insuturata*,**
・ムネアカヨコモンヒメハナ P.masakii*
・オヤマヒメハナ P.oyamae*
・ニセフタオビヒメハナ P.testacea*,**


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