Pidoniaの世界へようこそ

山梨県南巨摩郡南部町 天子山脈南部佐野川上流域 alt.350~700m 26. ⅴ. 2012

トサヒメハナとコトヒメハナの分布調査の一環で、富士山西方に南北に連なる天子山脈南部の調査に出向いた。この山塊北部の本栖道周辺はトサヒメハナの分厚い分布エリアでありながら、何故かその南部の、しかも富士川サイドの身延町湯之奥界隈にはコトヒメハナが孤立分布するという非常に面白いエリアで、今回は更にその南部における両種の分布調査に赴いたような次第。

予め地図上で林道等の下調べはしていたものの、現地に行ってみると現実はそんなに甘いものではなく、全山これ杉の植林と言った風情の山塊ばかりで、ネットを出す前から敗北宣言をしたくなるようなエリアであったが、それでも朝一番に天子湖脇の車道沿いのノイバラの花からトウカイヒメハナ数頭が獲られ、 その後の成果に大いに期待が膨んだ。

上佐野集落から奥も杉の植林ばかりが目につき、この日入ることのできたとある林道でもほぼ同様の環境が続いたものの、僅かに二次林環境の残った狭い一角に咲く数株のガクウツギの花から、意外や多くのトウカイヒメハナがネットに入り、ちょっと驚く。



結局、この日の主目的であったトサヒメハナとコトヒメハナはいずれも発見することができなかったが、当日この界隈で確認できたピドニアは全部で5種(フタオビヒメハナ、チャイロヒメハナ、ニセヨコモンヒメハナ、ナガバヒメハナ、トウカイヒメハナ)。中でもトウカイヒメハナが最優先種と言う世にも稀有なるエリアであったが、残念ながら所期の目的を果たすことは叶わず、後に課題を残してしまうこととなってしまった(もっとも、あの植林だらけの風景を思い出すと、もう二度と出掛けたくない!と言うのが正直な気持ちではあるのだが・・・)。



余談ながら、ピドニア採集中に見つけたツルウメモドキの枯れ蔓で久々のクビジロカミキリに遭遇できたのは、ちょっと嬉しい出来事であった。



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